
建築豆知識
これからの家づくりに欠かせない「省エネ住宅の基礎知識」
近年の住宅は、省エネ性能が重要視されています。気密性を示すC値や断熱性能を表すUA値などの指標をもとに、高気密・高断熱の家づくりが進められています。
特にZEH(ゼロエネルギーハウス)は、消費エネルギーを自宅でつくるエネルギーでまかない、快適で環境にやさしい住まいとして注目されています。
また、省エネ性能を評価する「BELS」という制度もあり、星の数で性能が分かります。国も省エネ住宅を推進しており、2030年以降は新築住宅に省エネ等級5(ZEH水準)が義務化される予定です。こうした知識をもとに、賢い家づくりを目指しましょう。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)について

太陽光発電や家庭用蓄電池などでエネルギーを自ら創り出し、さらに高性能な断熱材や省エネ性能の高い設備機器を組み合わせることで、家庭で消費するエネルギーを大幅に削減し、年間のエネルギー収支をゼロに近づける住宅を「ZEH(ゼッチ)」と呼びます。ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、環境への負担を減らし、光熱費の削減も実現できる、これからの時代にふさわしい住まいです。
国の省エネ方針では、2030年以降に新築される住宅は「省エネ等級5(ZEH水準)」が基本ルールになる予定です。これは断熱性能の向上による冷暖房効率の改善だけでなく、高効率な給湯器や換気設備の導入なども求められるため、設計段階から十分な検討が必要です。従来の住宅と比べると初期投資はやや高くなるものの、長期的には光熱費の削減や、補助金・減税といった優遇措置により、負担は軽減される仕組みです。
さらに今後は、建築確認申請や各種補助金の申請においてもZEH基準への適合が条件になる見込みで、対応していない住宅は事実上建てにくくなると予想されています。ZEH対応の住宅は環境への配慮だけでなく、災害時の停電リスクの軽減や、夏涼しく冬暖かい快適性の向上にもつながるため、メリットの多い選択肢です。
当社では、ZEH基準に沿った高性能な設計・施工をしっかりとサポートいたします。お客様のライフスタイルやご予算に応じて最適なプランをご提案し、将来も安心して快適に暮らせる家づくりをお手伝いいたします。ぜひご相談ください。
耐震等級について

耐震等級とは、住宅の地震に対する強さを示す指標で、建築基準法に基づく「住宅性能表示制度」で定められています。等級は1から3まであり、等級1は法律で定められた最低限の耐震性能で、数百年に一度の大地震でも倒壊しないレベルです。等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の耐震強度を持ち、特に等級3は消防署や警察署と同等の耐震性を備えるとされ、最も高いランクです。
等級が高いほど地震への安全性が高まるのはもちろん、住宅ローン減税や地震保険の割引などの優遇も受けられるメリットがあります。また、近年の大地震の教訓から、等級3の住宅が被害を最小限に抑え、早期の生活再建につながる事例も増えています。
耐震等級を上げるためには、建物の構造計算や適切な耐力壁の配置、金物の選定など、設計段階からしっかりとした計画が重要です。当社では、耐震等級3の取得を目標に、お客様のご要望や敷地条件に応じた最適な耐震設計をご提案します。大切なご家族と住まいを守るため、ぜひ耐震等級にも注目して家づくりを進めましょう。
C値(相当隙間面積)について

C値(相当隙間面積)とは、住宅の「気密性」を数値で表した指標です。住宅全体にどれくらいの隙間があるかを示し、単位は㎠/㎡(床面積1㎡あたりの隙間面積)で表されます。数値が小さいほど家の隙間が少なく、気密性が高いことを意味します。気密性が高い家は、外気が入りにくく、室内の温度が安定しやすいため、冷暖房効率が上がり、省エネにもつながります。
日本の一般的な基準ではC値5.0㎠/㎡以下が目安とされますが、高性能住宅や寒冷地仕様の住宅では1.0以下、場合によっては0.5以下を目指すケースもあります。気密性が低い家では、いくら断熱材を厚くしても隙間から熱が逃げてしまい、冬は寒く、夏は暑い家になりやすいのです。
C値は実際に工事が終わった後、専門の機械を使って「気密測定」を行い、実測して確認します。測定結果は施工の質や丁寧さを示すバロメーターにもなり、見えない性能を「見える化」する大切な工程です。
当社では、設計段階から施工、気密測定まで一貫して対応し、高い気密性を確保できる家づくりをサポートします。快適で省エネな暮らしのために、ぜひC値にもこだわってみてください。
UA値(外皮平均熱貫流率)について

UA値(ユーエーち、外皮平均熱貫流率)とは、住宅の断熱性能を示す指標のひとつです。住宅の外壁・屋根・窓・床など、いわゆる「外皮」と呼ばれる部分から、どれくらい熱が逃げやすいか(または入りやすいか)を数値化したもので、単位はW/㎡Kで表されます。数値が小さいほど熱が逃げにくく、高断熱であることを意味します。
高断熱な住宅は、冬の暖房や夏の冷房が効きやすく、少ないエネルギーで快適な室内環境を保てるため、省エネや光熱費の削減につながります。
日本の地域ごとに基準が定められており、寒冷地ほど求められるUA値は低く設定されています。たとえば北海道などの寒冷地では0.4以下、本州の一般地域では0.87以下が目安とされますが、最近はより低いUA値を目指した高性能住宅も増えています。
断熱材の選び方や厚み、窓の性能(複層ガラスやトリプルガラス)などがUA値を左右します。いくら気密性(C値)が高くても、断熱が弱ければ熱は外に逃げてしまうため、両方のバランスが重要です。当社では、お客様の地域やライフスタイルに合わせて最適な断熱設計をご提案し、UA値の計算や性能評価までしっかりサポートします。高断熱の家で、1年中快適な暮らしを実現しましょう。
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)について

BELS(ベルス)とは、「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略で、日本語では「建築物省エネルギー性能表示制度」と呼ばれます。住宅や建築物の省エネ性能を第三者が評価し、星の数(★〜★★★★★)で分かりやすく表示する制度です。評価の基準は国が定める省エネ基準に基づいており、断熱性能や設備の効率などが総合的にチェックされます。
BELSの目的は、建てる前に住宅の省エネ性能を「見える化」することです。数値や専門的な計算結果だけでは分かりにくい性能を、誰でもひと目で理解できるようにするための仕組みで、特にZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)かどうかも併せて表示される場合があります。星が多いほど省エネ性能が高く、環境に優しく、光熱費が安く抑えられる住宅であることが分かります。
近年は、公共建築物や大規模施設ではBELS表示が義務化されており、住宅でも取得することで補助金の申請や融資の優遇を受けられるケースもあります。当社では、省エネ性能を高め、BELSの高評価が得られる設計・施工をサポートいたします。環境に配慮しつつ、経済的にもメリットのある住まいを一緒に実現しましょう。


